さて電気分解では必須の「水の電気分解」を考えましょう。
まず酸塩基編でも少し触れましたが、水は電気を通しにくい物質です。なので水の電気分解をするときはイオン性物質を溶かして電気が通りやすいようにします。しかし溶けている物質が水よりもイオン化傾向が小さかったら、水ではなく溶質が反応してしまいます。
もう一度イオン化傾向を確認しておきましょう。
陰イオンのイオン化傾向
NO3-・SO42-・OH-(H2O)・Cl-・Br-・I- |
金属イオンのイオン化傾向
K・Ca・Na・Mg・Al・Zn・Fe・Ni・Sn・Pb・(H2)・Cu・Hg・Ag・Pt・Au |
つまりOH-やH2よりもイオン化傾向の小さいイオンが溶けている場合は、そちらが反応します。
逆に言うとOH-やH2よりもイオン化傾向の大きいイオンばかりの時は水の電気分解が起こります。
ここでは「希酸の電気分解」「希アルカリの電気分解」「中性溶液の電気分解」の二種類を考えることにします。