半電池の構成はどちらも同じで、その電解液の濃度差によってはたらく電池を濃淡電池といいます。
上の電池の構成は次のように書かれます。
(−) Ag|0.1mol/lAgNO3aq||1.0mol/lAgNO3aq|Ag (+)
電解液が濃いと、イオンが電極板にぶつかる回数が多くなり、電極から電子を奪って単体になる確率が高くなります。そのため、こちらが正極になります。
正極:Ag++e− → Ag 還元反応
そして濃いほうの電極は電子不足になり、薄いほうの電極から電子が奪われるので、薄いほうの電極板は溶解します。
負極:Ag → Ag++e− 酸化反応
このよう電子が流れているのですが、その起電力は0.06Vと非常に小さく、実用にはまったく向きません。この濃淡電池の原理は、生体内で情報を伝える手段として用いられています。神経細胞の内外でNa+とK+の濃度差で生じた起電力を、電気信号として伝達します。