水素や天然ガスなどの燃料から、その燃焼による熱エネルギーの代わりに電気エネルギーを得る電池を燃料電池といいます。、中でも水素−酸素燃料電池はよく話題にされる代表的な燃料電池です。
この燃料電池は、有人宇宙船の電源になったということで有名ですし、最近では燃料電池自動車なども開発・実用化が進められており、教科書にも取り上げられているんですが、実はおおまかにいって2種類あるんです。違いは電解液です。基本的な構造が少しだけ違うので、分けて書いてみます。
水素の燃焼熱を電気エネルギーに変換する装置です。
水素や天然ガスなどの燃料から、その燃焼による熱エネルギーの代わりに電気エネルギーを得る電池を燃料電池といいます。、中でも水素−酸素燃料電池はよく話題にされる代表的な燃料電池です。
この燃料電池は、有人宇宙船の電源になったということで有名ですし、最近では燃料電池自動車なども開発・実用化が進められており、教科書にも取り上げられているんですが、実はおおまかにいって2種類あるんです。違いは電解液です。基本的な構造が少しだけ違うので、分けて書いてみます。
電解液に30〜45%水酸化カリウム水溶液、電極には正負どちらにも白金触媒をつけた多孔質電極、負極板に水素・正極板に酸素を吹き付けて使う水素−酸素燃料電池です。構成は次のように表されます。
では順に反応を見ていきましょう。
負極にH2ガスを吹き付けると、一部はイオン化してH+となり、電解液に溶け込みます。このとき極板に電子を渡します。H+が電解液に溶け込むと即座にOH-と反応して中和し、水が生成します。
こんどは電解液に95%濃リン酸水溶液を用いた電池です。構成は次のように表されます。
反応もほとんど同じですが、イオンが電解液に吸収されてからが少し違います。
負極に吹き付けられたH2は、イオン化してH+となり、電解液に溶け込みます。しかし特に反応はしません。ですから、反応は次のようになります。
小さな違いも含めると3つあります。
1.水の出る場所が違う
アルカリ型は負極、リン酸型は正極から出ます。
水の出る場所の違いは、電解液のイオンによります。アルカリ型はOH-があるからH+と反応して水が生成し、リン酸型はH+があるからO2-と反応して水が生成します。
しかし、これは試験に出されることはあまりありませんね。反応の違いを覚える際のヒントにしてください。
鉛蓄電池のところに記述したように、電解液の中でも電荷を移動させないといけません。この際に、電解液の液性によってイオンの流れる方向が違ってきます。
アルカリ型では、空気中の二酸化炭素によって次の反応が起きる可能性があります。
後で出てきますが、水酸化カリウムやリン酸の電気分解とは逆の反応となります。このことも参考にして覚えていってください。