化学魔の還元

脂肪族編1-7.エーテルの性質

エーテルはアルコールの構造異性体(細かく言うと官能基異性体)の関係にあります。
同じ分子式で表されますが、その性質はアルコールとは大きく違います。

・水溶性
エーテル結合をつくっている酸素は非共有電子対を持つのですが、実際には両端のアルキル基が酸素を包み込んでしまうので、酸素は水と水素結合がつくれません。したがって、エーテルは水に溶けにくい性質を持っています。

・沸点
沸点は、構造異性体(細かく言うと官能基異性体)の関係にあるアルコールに比べて低く、同じくらいの分子量を持つ炭化水素基と同じくらいの沸点を示します。


・反応性
エーテルは一般に反応性は低いです。また、アルコールの持つようなヒドロキシル基は持っていないので、金属Naとも反応しません。

・ジエチルエーテル
ジエチルエーテルは揮発性のある無色の液体です。可燃性、引火性が強く、また麻酔作用を示します。単に物質名として「エーテル」という場合には、ジエチルエーテルを指すことが多いです。