化学魔の還元

脂肪族編1-5.アルコールの酸化反応

アルコールに二クロム酸カリウムなどの酸化剤を加えて酸化する反応を見ていきます。第一級、第二級、第三級アルコールで出来るものが変わってきます。

1.第一級アルコールの酸化反応

まず、H原子が2つ奪われて、アルデヒド(後述)になります。


第一級アルコール   →   アルデヒド

アルデヒド基のC−H結合は切れやすいので、さらに酸化剤と反応させるとカルボン酸(後述)になります。


アルデヒド     →   カルボン酸

例えばエタノールを酸化すると、まずH2つが奪われてアセトアルデヒドに、さらに酸化すると酢酸になります。

 →   →  
エタノールCOH⇒アセトアルデヒドCHCHO⇒酢酸CHCOOH

2.第二級アルコールの酸化反応

これもH原子2つが奪われます。このときヒドロキシル基のHも奪われるため、第一級アルコールの酸化とは違ってケトン(後述)になります。


第二級アルコール ⇒ ケトン

例えば2−プロパノールを酸化すると、アセトンになります。


2−プロパノール ⇒ アセトン

C−H結合は比較的切れやすいのですが、C−C結合はかなり安定です。そのため、ケトンはこれ以上酸化されません。

3.第三級アルコールの酸化反応

第三級アルコールは、直接つながっているH原子がなく、酸化されにくいです。