半反応式表
半反応式ばかりは覚えるよりほかありません。次に挙げたものはすべて基本的な反応式なので、すべて覚えてください。
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酸化剤の半反応式
- ハロゲン単体
- Cl2 + 2e- → 2Cl-
- 希硝酸
- NO3- + 4H+ + 3e- → NO + 2H2O
- 濃硝酸
- NO3- + 2H+ + e- → NO2 + H2O
- 熱濃硫酸
- SO42- + 4H+ + 2e- → SO2 + 2H2O
- 過マンガン酸カリウム(硫酸酸性)
- MnO4- + 8H+ + 5e- → Mn2+ + 4H2O
- 過マンガン酸カリウム(中性・塩基性)
- MnO4- + 2H2O + 3e- → MnO2 + 4OH-
- 二クロム酸カリウム(硫酸酸性)
- Cr2O72- + 14H+ + 6e- → 2Cr3+ + 7H2O
- 過酸化水素
- H2O2 + 2H+ + 2e- → 2H2O
- (二酸化硫黄)
- (SO2 + 4H+ + 4e- → S + 2H2O)
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還元剤の半反応式
- ハロゲンイオン
- 2Cl- → Cl2+2e-
- 金属単体
- Na → Na+ + e-
- 硫化水素
- H2S → S + 2H+ + 2e-
- 二酸化硫黄
- SO2 + 2H2O→ SO42- + 4H+ + 2e-
- シュウ酸
- (COOH)2 → 2CO2 + 2H+ + 2e-
- (過酸化水素)
- (H2O2 → O2 + 2H+ + 2e-)
- チオ硫酸ナトリウム
- 2S2O32- → S4O62- + 2e-
注意すべき点がいくつかあります。
まず、過酸化水素と二酸化硫黄が酸化剤と還元剤の両方に書かれていることです。普通、過酸化水素は酸化剤としてはたらくのですが、過マンガン酸カリウムなどのあまりに強い酸化剤出会った時は、カッコでくくられたときのような還元剤の反応をするのです。同様に、二酸化硫黄は普通還元剤として働くのですが、硫化水素とぶつかった時はさすがに還元されて酸化剤の働きをします。
二酸化硫黄が還元剤として働くときの反応は、実は熱濃硫酸が酸化剤として働くときの反応と正反対になっています。これは覚えるときのポイントですね。
もうひとつ。二クロム酸カリウムは6個の電子を奪うのですが、クロムの酸化数は3しか変わりません。というのも、クロムが2つあって6個の電子を供給するので、クロム1つあたりでは3個ということになるからです。この辺で引っかけてくる問題がたまに見られますので気をつけましょう。何事も丸暗記はよろしくないということでしょうね。
人によっては、反応の時にやりとりする電子の数を価数と呼んだりします。例えば過マンガン酸カリウムは5価の酸化剤になるわけです。これも酸塩基反応からの延長ですね。